富士の裾野には、青木ヶ原を代表とする深い樹林帯と自衛隊の演習場などの広大な草原が広がる。どちらも関東周辺では最大級だろうが、このような単調な場所を蝶は好まず、草原と樹林が適度に交じり合う疎林が観察の好ポイントとなる。
そんな場所に今日のメインターゲットであるクロシジミやミヤマカラスシジミが発生する。
昨年は湯河原方面のキリシマミドリシジミを探索した後に立ち寄ったため、時期、そして時間ともタイミングを逸して貧果に終わっていた。
今年はクロシジミの雄の翅表と、ミヤマカラスの産卵を撮影しようと臨んだ。
クロシジミは個体数、鮮度ともまずまずで、雄もかなり見かける。ところが、気温の上昇と共に活動が活発化し、ゼフのように樹上でテリを張るような個体ばかりが目に付いた。
♂ D80+SIGMA 70-300mm
♀ Caplio GX8+魚露目8
40年ほど前は、自宅近くの狭山丘陵にも沢山いたのが懐かしい。元気に飛翔する姿は逞しく感じるが、環境変化には最も敏感な種の一つで、わざわざここまで撮影に来なければならないことを残念に感じる。
クロシジミのポイントには、少ないながらミヤマカラスシジミの姿もあった。
D80+SIGMA 70-300mm
本格的にミヤマカラスを撮影するため、少し場所を移動。植樹のクロツバラの前で陣取っていると、こちらに近づいてくる人の姿あった。ご無沙汰していた「
あやはべる」のfuruさんだ。その後は撮影を共にした。
ミヤマカラスは、食樹の周りやサンショウの花によくやってきたが、翅表を見せるわけでもなく、単調なシーンばかりで気合が入らない。
D90+SIGMA 17-70mm
せいぜいコツバメのように逆光で縁毛の輝きを写してみた。
D80+SIGMA 70-300mm
富士山を背景に入れようとも試みたが良い位置には止まってくれない。そのうち一頭がクロツバラに執着し、産卵を始めた。
D90+SIGMA 17-70mm
D90+SIGMA 17-70mm
Caplio R4
一方、furuさんは秘密兵器をセットし、卵の撮影に集中している。
緊張感が漂うその姿に見入ってしまった。モニターで見せてもらった卵の写真は感動もの。次のテーマはこれだな!