寒い日が続いたため、房総のルーミスシジミの様子を見に久しぶりに出掛けてみた。
目的地の駐車場には、すでに見覚えのある車がちらほら。脚立を担いでポイントに向かうと多数のカメラマンの姿が見える。皆思いは一緒のようだ。「11人目ですね」と『
フィールドノート』のtheclaさんから声を掛けられ、さらに、『
相模蝶の観察記録』のmaedaさん、『
風任せ自由人』のmaximiechanさんなど、なじみの面々の姿も見られ、賑やかな撮影会だ。ただ、状況はあまり芳しくないという。天気は申し分ないのに、ルーミスの活動には少し気温が低いようだ。
そのうち樹上を飛ぶルーミスを2頭ほど確認できたが、地上に降りてくる気配がない。
脚立に腰かけ暫く日向ぼっこして待っていると、ひらひらと視界に入る蝶の姿があった。残念ながらムラサキシジミだ。それでも被写体の出現はありがたい。今日は職場のクラブで購入した新しいカメラとレンズの試し撮りも兼ねている。
D7000+SIGMA 18-250mm
さらに待ってはみたものの、撮影可能な位置には降りてこない。
越冬個体がいないかと日蔭のカシの葉を探してみたが、まだ本格的な越冬態勢に入っていないようで見当たらない。
やむなくルーミス撮影を諦め、皆より一足先にこの場を後にして、マテバシイの多い場所に転戦することに。maximiechanさんもご一緒することになった。
このポイントでは、ムラサキツバメの越冬集団がよく見られる。直射日光の当たらないマテバシイの葉などを確認しながら歩いていると、大きな集団ではなかったが見つかった。
D7000+SIGMA 18-250mm
活動個体がいないかと陽だまりを探してみたが見かけない。仕方なく長竿で叩いてみると、越冬中の個体がパラパラ舞い降りて下草などに止まり、やがて体温を上げようと翅を開きはじめた。
♂ D7000+SIGMA 18-250mm
♀ D7000+SIGMA 18-250mm
その後、オオキンカメムシが越冬する場所へ移動する。
昨年は全く見つからなかったが、直ぐにmaximiechanさんが葉裏で越冬する個体を見つけてくれた。
D7000+SIGMA 18-250mm(内蔵ストロボ使用)
周辺には、かなりの個体が越冬していて感激だ。
D7000+SIGMA 18-250mm(内蔵ストロボ使用)
大きさ、カメムシらしくない体の厚み、何より色彩の美しさは、嫌われ者のカメムシのイメージが微塵もない。
D7000+SIGMA 18-250mm 背中のハート模様も粋だ!
実はこのカメムシに初めて出会ったのが5年前。その姿にも驚いたが、帰宅後、ネットで調べると「柑橘系の香りがする」とあった。今度見つけたら真っ先にその匂いを堪能してみようと心に決めていた。
早速、枝を鼻に引き寄せじっくり匂いをかいでみると・・・期待した匂いが感じられない。無臭だ。何度試してみても、柑橘系の芳香を感じることはできなかった。
それでもたくさんの姿を見られ、ルーミス以上の収穫であった。