昨年、関西及び関東の同好者が集まって撮影会が行われ、皆オオゴマシジミの撮影を堪能されたが、遅れて参加の私は撮影が叶わず夢を暖めていた。
一年越しにその夢を叶えるため、その時にもらったポイント情報を頼りに岐阜県まで足を延ばした。
ちょっと寝坊してしまったため駐車場に着いたのが8時半過ぎ。慌てて身支度し、林道を歩き始めるがゼフはほとんど見られず、僅かに樹上で占有行動をとるものを見かけるが、短いレンズでは到底証拠写真にもならなかった。
途中、ネットを振る集団に追いつき「しまった」と思ったが、近づくと虫かごを下げたカミキリ採集の学生のようだ。
余談だが、どんなものが採れるのか虫かごを見せてもらうと、たくさんのハナカミキリが入っている。おまけにもっと小さいものはビニル袋に入っていてこれがみな1cmにも満たないようなカミキリで、カミキリには疎い私は感心して、参考に写真を撮らせていただいた。
安心して林道を進むと、オオゴマの食草がある付近に陣取っている採集者が目に入りいやな予感がした。更に進んだ大きなポイントには遠目からでもネットが林立するのが見え、不安は的中した。この瞬間、オオゴマの夢は消え失せようとしていた。
採集者を横目で見ながらその場を通り過ぎ、仕方なくもう少し奥を目指すがこちらでも採集者に遭遇。落胆して暫く岩に腰を下ろし休んでいた時、不意にブルーのシジミチョウが目の前をかすめていった。付近に翔んでいるヒメシジミに比べ遥かに大きいため一目でオオゴマと分かったが、そのまま斜面を上ってしまった。暫く待ってはみたもののその後は姿を見せず、1頭でも確認できたことで自分を慰め、この場を後にした。
林道を下り始めて間もなく一人のカメラマンを見かけた。つい嬉しくなって声をかけると同様にネットマンに嫌気をさして採集者のいないポイントの前で待っていたようだ。暫く話をしながら待っていると、斜面の上部に白っぽいシジミチョウを発見。オオゴマのようだ。斜面の高さ10mほどのヒヨドリバナで吸蜜していて、中々下りてくる気配がない。
意を決して斜面を登っていくと、オオゴマが吸蜜するヒヨドリバナまで2m程の距離まで近づけた。それ以上は危険で近づくことが出来なかったため証拠写真程度のものしか撮影できなかったが、それでも嬉しかった。
D70+SIGMA 17-70mm
飛翔撮影を試みるも豆粒ぐらいにしか写っていなかった。
D70+SIGMA 17-70mm
この辺りは有名な温泉街で河原などからも蒸気が上がっている。折角だから公衆の足湯につかり英気を養ってヒメヒカゲ・ポイントに向かった。
到着は3時近くになってしまったが、草地を探すと程なく見つけることが出来た。3頭ほど見かけ、その中で最も傷みが少ない個体を選び撮影した。
Caplio GX8(内蔵ストロボ使用)
D70+SIGMA 17-70mm
D70+SIGMA 17-70mm
オオゴマに比べ何と良いモデルなのだろう。
今日の教訓として、休日は避けることと、長めのレンズは不可欠かなと・・・
それと、この地のオオゴマの将来はどうなってしまうのか不安に感じた。