『
小畦川日記』のダンダラさんに情報提供いただき、東京に発生したクロマダラソテツシジミの発生を確認に行ってみた。
9月中旬頃にマスコミが取り上げられてから、一時はホットスポットとなっていたことだろう。すでにニュース性は消えてしまったが、まずはこの目で確かめてみたかった。
発生場所である公園に着いて、ソテツのある場所を探していると、大きな網を持った採集者とすれ違い、一仕事終えて帰るように見えた。間違いなくこの近くに発生ポイントがあるのは分かったが、皆採られていなければいいなと不安になった。
ネットマンがやって来た方に向かうとすぐにソテツの木が視界に入り、近づくとソテツの前に看板が立っている。
読むといただけない注意書きがある。幼虫採集と飼育のため葉を持ち去る輩がいるのだろう。
周りを見渡しても成虫の姿はない。さっきのネットマンに採られてしまったのか。
もう一箇所ソテツの植栽があるということで、そちらを確認に行くと、ソテツの前に3人のカメラマンが陣取って撮影中であった。丁度羽化した個体がいるとのこと。これでnullは免れた。
レンズの先には小さなブルーのシジミチョウが確認できる。まだ羽が伸びていないとはいえ、随分小さいなというのが第一印象だ。一昨年、沖縄で見た個体より遙かに小型だ。
D80+SIGMA 17-70mm(内蔵ストロボ使用)
葉の付け根にある綿毛の中で蛹化し、そこから羽化して出てくるという。
その時、驚いたのは翅の伸びる早さだ。暫く観察していると、みるみる間に翅は伸び、やがて飛び立ちソテツの葉などで静止した。
D80+SIGMA 17-70mm
D80+SIGMA 17-70mm
D70+TAMRON 90mm
その後も、複数が羽化する場面を観察できた。
D80+SIGMA 17-70mm(内蔵ストロボ使用)
こいつは凄い繁殖力を持っているなと感じた。食樹のソテツさえあれば、関東地方で勢力拡大も時間の問題かなと。
D80+SIGMA 17-70mm 葉裏には複数の卵も・・・
付近の花壇に飛んでいる個体も幾つか見かけるが、ヤマトシジミと混飛していると、大きさも同じくらいで全く区別できない。静止した時が確認のチャンスで、運良く止まった個体も暫くするとどこかへ飛んでいってしまった。拡散性も強いよう思われ、来シーズンは各所のソテツで発生するのかもしれない。
小さな体からは想像できない逞しさを垣間見てこの公園を後にした。