例年、赤城姫の発生は4月下旬頃からが始まるが、今年は天候不順によって発生が遅れ、初認は5月2日だったようだ。連休明けにここを訪れるのは初めてだが、高速渋滞を気にしないで来れるのが有難い。
未だ赤城姫のカタクリ吸蜜を撮影していないので、カタクリの状況を見ながら山を登るが、中腹のカタクリの花はすでに終わっていた。仕方なく山頂付近のカタクリが咲く場所に向かってみた。こちらはまだ花の状態は良いが、斜面が日陰になっていて風も少し強い。長袖のシャツだけでは肌寒いくらいだ。日が当たる頃にもう一度来ることにして、日当りの良い斜面に移動すると、すぐに1頭の赤城姫が現われて地面に止まった。
D70+SIGMA 70-300mm
谷側に桜の花が見えたので、運が良ければ桜の花で吸蜜するかもと谷を下ってみた。近づいて気が付いたが、この桜はすでに伐採されていて、木の養分だけで最後に花を咲かせていたのだ。
すぐに1頭がこの花にやってきた。ただ、かなり傷んだ個体であったのが残念だ。
D70+SIGMA 70-300mm
D70+SIGMA 70-300mm
さらにもう一頭がやってきて吸蜜を始めた。こちらはかなり新鮮に見えたが、ファインダーを通してみると右側の後翅の一部が欠けている。正面から撮りたかったが、欠けた部分が余り目立たないように撮影した。
D70+SIGMA 70-300mm
D70+SIGMA 70-300mm
気温もかなり上昇し、桜への吸蜜も一段落したため、尾根道まで登って様子をみる。飽きないほどに赤城姫がやってくるが、スミレなどの吸蜜植物が少ないため、皆、山頂方面に上ってしまうようになった。
そのうち幾つかがスミレで吸蜜してくれたが、吸蜜時間が短いためじっくり撮影させてくれない。
この個体は今日撮影した中では最も翅の傷みが少なかった。
D70+SIGMA 70-300mm
その後はカメラをD80に換えて飛翔中心に撮影してみたが、思うようなコースを飛んでくれず、満足できるものはなかった。
昼近くになり、山頂付近で撮影していたカメラマンが下りてきたので様子を聞くと、複数の個体が見られるが、ほとんど静止することがないとのことであった。山頂を目指しても成果が上がらないだろうし、カタクリ吸蜜も期待できそうもないので早めに山を下りることにした。
初認から1週間程度であったが、好天続きのためかなり飛び古してしまったのと、新たに羽化する個体も少ないのかもしれない。カタクリ吸蜜、そして初々しい赤城姫を撮影できなかったのが残念であった。