連休最終日は丸1日時間ができた。
遠征を考え天気予報を確認すると、埼玉・東京周辺は余り天気は良くないが、内陸に行くにしたがい天気は良いようだ。前日『
蝶の玉手箱』のcactussさんが赤城姫の初見レポートを掲載していたので、迷わず赤城姫を見に行くことに。
関越道を下るにしたがい雲が薄くなっていくのが分かり、群馬県に入った頃には日も差し始め、渋滞もなく期待を胸に赤城を目指した。
麓の駐車場に着いたのが午前8時過ぎ。気温は低いが周辺のサクラは丁度見頃だ。
早速、山を登り始めると植物の状態などから、まだ例年より少し早い感じが受け取れる。
赤城姫の保護を呼びかける姿勢が、新しく設置された看板などから感じられる。
皮肉にも、天気は段々悪くなり始め厚い雲が掛かってきた。そのうち回復するだろうと山頂部を目指す。
未だ撮影が叶っていないカタクリ吸蜜を狙ってカタクリの花咲くポイントで日が出るのを待った。時折お日様は顔を見せるが長続きしない。
空を見上げては、やきもきしながら回復を待ったが、日差しはこんな状態の繰り返しで、雲の動きを観察していると、丁度この山の上空で晴れと曇りの境が出来ている。生憎だ。薄日程度はさすが、気温の上昇に繋がるほどではない。
こんな天気を予想してか、山頂部などに撮影者はほとんど見かけない。昨日はかなりの賑わいだったようだが、今日は静寂が漂う。
仕方なく、植物の撮影やゼフの卵などを探して天気の回復を待ったが、一向にその兆しが見られない。
丁度食べごろのコゴミ。少し分けて頂きました。
昨日、cactussさんも撮影している山頂部の卵。卵のある枝に目印もあった。
中腹の卵はすでに孵化している。
思案の末、山を下る決心をし新潟転戦も考えた。
下山後、麓で探索していると、見覚えのある方が前から歩いてきた。『
赤城姫を愛する集まり』のM氏ご夫妻である。この山でもしばしばお顔を拝見している。
cactussさんの計らいで機関誌『赤城姫』23号に写真を掲載していただき、そんな話からはじまり、しばし赤城姫の状況など貴重なお話を聞くことが出来た。
そのうち空模様も回復してきて、気温も上昇し虫達が活動を始めた。M氏は麓で探察を続けると言うことで、私はかなり疲れていたが、一念発起してもう一度山を登ることにした。
2度目の登山は膝に負担が掛かったが、赤城姫との対面を期待してもくもくと足を進めた。ところが、ポイント付近まで登るとにわかに雲がわき日差しを遮ってしまった。すでに山頂付近には人の気配はなく、私一人で赤城姫を独占状態だが、皮肉にもこの山を境に天気の変わり目があった。
やがて晴れ間が広がり始め、太陽がさんさんと照りつけるようになった。時間は午後1時を回っていたが、気温もどんどん上昇し赤城姫のお目見えを期待した。山頂周辺を行ったり来たりしながら、目を皿のようにして林床などを見つめて約1時間。無常にも赤城姫は姿を見せてくれなかった。
山頂まで2往復、未練は残ったが、静かな山中の息吹を感じながら日頃の運動不足解消が出来たと自分に言い聞かせた山を下りた。