一昨年、複数のウラクロシジミが見られた奥多摩のポイントに出掛ける。
その際は午後3時頃に雄のきらめきを堪能したので、時間を見計らって自宅を出発し、昼過ぎにポイントに到着。ウラクロの登場まで他の蝶の撮影で時間をつぶすことにした。(ゼフ以外の蝶は後日紹介します)
ふと渓谷を覘くと一頭のゼフの飛翔が目に入った。橋から渓谷を見下ろす位置に張り出た木の葉上でテリを張っていた。その煌きはクリソ・ゼフィルスで、時間が午後1時を回っていたのでメスアカミドリシジミのようだ。
D80+SIGMA 70-300mm
被写体までの距離は3、4m程あり、その位置がお気に入りのようで、それ以上近くには止まってくれない。300mmでどうにか撮影できる位置だ。よく見ると他に2.3頭の姿が確認でき、時折追尾行動をとっている。橋の欄干にカメラを押し当て手ブレしないようにシャッターを押し続けた。
D80+SIGMA 70-300mm
D80+SIGMA 70-300mm
D80+SIGMA 70-300mm
暫くメスアカの撮影に興じていると、やがてその中に煌きの異なる個体が混じってきた。エゾミドリシジミだ。何と2種のゼフが同じ空間でテリを張るという思いもよらぬタイミングとなった。
D80+SIGMA 70-300mm
D80+SIGMA 70-300mm
2種以外、この空間に入ってくるヒメキマダラセセリやコチャバネセセリ、コムラサキなどともしきりに絡み合っている。時折近くの葉先に静止し、このときが撮影のチャンスであった。
午後3時を回った頃から卍飛翔が始まり、そこに待望のウラクロが進入してきた。撮影は叶わなかったが、思わず見とれてしまうほど見事であった。
D80+SIGMA 70-300mm
D80+SIGMA 70-300mm
見慣れたアカシジミの登場も、この場所では新鮮な感じを受けた。
D80+SIGMA 70-300mm
いよいよお日様の陽が当たらなくなる頃までこの場所に居座ることになり、その間、コンビニのとろろ蕎麦を食べたりしながら至福の時を過ごすことが出来た。撮影枚数も1,000枚を越え、帰宅後の写真整理に相当の時間を要した。大半が手ブレを起こして使い物にならなかったが、そのことは十分予測がついていた。こんな時は、手ぶれ防止機能の付いたもっと長めのレンズがあったら威力を発揮するだろうなと感じた。