長く続いた猛暑も先週あたりから一変してすっかり涼しくなった。こうも涼しくなるとあの暑さが恋しいくらいだ。今日も天気は曇りで長袖を着ていくか迷ってしまった。もちろん車には入れて置いたが・・・
蝶の撮影には少し気温が低いかなと心配しながら甲州市のゴマ・ポイントなどを再訪した。
手始めに、数年前にゴマ探しをして気になっていたポイントに向った。そこは当時よりワレモコウも多い気がしてゴマの登場に期待が持てた。
汗もかかずに快適にゴマ探しができるのは嬉しいが、前日の雨がまだ草の葉などに水滴として残り、蝶の活動には気温が低すぎるようだ。
結局、活動が見られたのはヒメジャノメ程度で、キアゲハやモンキチョウなどが草の葉などで翅を休めるのを見るに留まった。
D70+SIGMA 17-70mm
最後の手段、ワレモコウの花房で幼虫探しを試みるが、これも成果なし。
この場を諦め、8月上旬にゴマを撮影したポイントに向う。途中、ミヤマシジミのポイントに立ち寄り発生を確認する。狭いポイントながら草の葉に静止する4、5頭を確認。気温が低いため、翅を閉じてピクリとも動かない個体ばかりで活動する個体は見られない。
暫くこれらを撮影したり辺りをうろついていると、次第に空が明るくなり始め、雲の隙間から日差しが覗き始めた。ラッキーと思いながらミヤマを観察していると、足や翅を少しずつモゾモゾ動かし始めた。しめしめ、あと少しで翅を開くぞとカメラを構えていると、かたくなに閉じていた翅を少しずつ開き始めた。
D70+SIGMA 17-70mm
狙いを定めたこの蝶以外も、一斉にスイッチが入ったように活動を始め、ブルーの翅表を覗かせている。
その後は惜しげもなく翅表を見せてくれた。
D70+SIGMA 17-70mm
私が吸い終わって置いたタバコにもやってきた。(撮影後は、吸殻入れに入れました。決して置き去りにはいたしませんのでご心配なく)
D70+SIGMA 17-70mm。
今までこんなにじっくり翅表を撮影する機会はなかったので、正に“棚ぼた”、曇天様様だ!
雌のルリシジミさえクズの葉上で翅を全開にしていた。ところが不用意に近づいたため逃げられてしまった。残念!
付近にはゴイシシジミなども多い。さすがにゴイシは開翅してはくれなかった。
D70+SIGMA 17-70mm
気を良くしてゴマ・ポイントに向うと、草地には人の入った踏み跡は多少確認できるが、荒れてはいない。この条件なら確実に開翅シーンはいただきだなと、期待しながらワレモコウの花などを確認するがゴマの姿は見られない。残らず採られてしまったのか、それとも発生期を過ぎてしまったのか・・・。
暫く草地を眺めていると、一風変わった羽ばたきをする蝶を発見。予期せぬ遭遇に、一瞬過去に出会った蝶の記憶を辿ると、それがホソオチョウであると分かりその後を追った。長い尾をかばうように草地の上を弱々しく飛翔し、そのうち草の葉に静止した。
D70+SIGMA 17-70mm
この辺りでは初めてお目にかかったため、何故こんな所にと不思議に思ったが、ウマノスズクサが自生してそうな草地も多いため、この辺りでも繁殖しているのかなと納得した。
帰りは、峠を回ってキベリタテハなどを撮影することに。キベリ撮影も今日の目的の一つだ。麓から峠付近を見上げると、ガスに覆われ天候や気温が気にかかった。
毎年撮影している林道ポイントに到着すると、気になった天気も回復傾向ですぐさまキベリを発見。かなり翅の傷んだ個体のため撮影に身が入らず、直ぐに見失う。その後暫く辺りを探すと無傷の美しい個体が翅を休めていた。慎重に近づくが70mmの射程圏内に近づく前に翔び立たれ、それを何度か繰り返しているうちにとうとう見失ってしまった。
撮影できた写真は、とても満足できるものではなかったけど、今年もキベリを撮影できたことで自分を慰めた。
D70+SIGMA 17-70mm
シータテハも見かけるが、キベリ同様、射程圏内に近寄らせてくれなかった。
こんな時も長いレンズがあればなあと、来シーズンに向けて購入の決意をさらに強めることとなった。